らば私《わたし》が皆《みん》なの総代《そうだい》として京都《きやうと》へ往《い》きませうと受合《うけあ》ひました。
夫《それ》から徐々《そろ/\》京都《きやうと》へ参《まゐ》る支度《したく》をして居《を》ります中《うち》に、新聞で見ましても、人の噂《うはさ》を聞きましても、西京《さいきやう》の旅籠屋《はたごや》は客が山を為
な》して、ミツシリ爪《つめ》も立たないほどだといふ事でございますから、此奴《こいつ》は迂《うつ》かり京都《きやうと》まで往《い》つて、萬一《ひよつと》宿《やど》がないと困ると思ひまして、京都《きやうと》の三|条《でう》白河橋《しらかはばし》に懇意《こんい》な者《もの》がございますから、其人《そのひと》の処《ところ》へ郵便を出して、私《わたし》が参《まゐ》るから何《ど》うか泊《と》めて下《くだ》さいと申《まう》して遣《や》りますると、其返事《そのへんじ》が参《まゐ》りました。「拝啓《はいけい》益々《ます/\》御壮健《ごさうけん》奉慶賀候《けいがたてまつりさふらふ》、随《したが》つて貴君《きくん》御来京《ごらいきやう》の趣《おもむき》に御座候得共《ござさふらえども》
前へ
次へ
全19ページ中3ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング