、御車《みくるま》を拝《をが》ませたいものでござりますが、扨《さて》どうも困る事には、是《これ》まで十五|日《にち》間《かん》の謹《つゝし》みで長休《ながやす》みをいたして居《を》りました処《ところ》へ、御停止《ごちやうじ》あけとなつて、又《また》休《やす》んで京都《きやうと》まで参《まゐ》らうといふものは一人もありませんで、誠に困りましたが、幸《さいはひ》師匠《ししやう》はマア寄席《よせ》へもお出《で》なさいません閑人《ひまじん》でいらつしやる事でげすから、御苦労《ごくらう》ながら三|遊《いう》社《しや》の総代《そうだい》として、貴方《あなた》京都《きやうと》へ行《い》つて下《くだ》さる訳《わけ》には参《まゐ》りませんかと、円朝《わたくし》が頼《たの》まれました。元《もと》より此度《このたび》の御大喪《ごたいさう》は、是迄《これまで》にない事でございますから、何《ど》うかして拝《はい》したいと存《ぞん》じて居《を》りました処《ところ》へ、円生《ゑんしやう》と円遊《ゑんいう》に頼《たの》まれました事《こと》故《ゆゑ》、腹《はら》の中《うち》では其実《そのじつ》僥倖《さいはひ》で、そんな
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