わり死にかわり、容《かたち》は種々《いろ/\》に変えて附纒《つきまと》うて居《い》るゆえ、遁《のが》れ難《がた》い悪因縁があり、どうしても遁れられないが、死霊|除《よけ》のために海音如来《かいおんにょらい》という大切の守りを貸してやる、其の内に折角|施餓鬼《せがき》をしてやろうが、其のお守《まもり》は金無垢《きんむく》じゃに依《よ》って人に見せると盗まれるよ、丈《たけ》は四寸二分で目方も余程あるから、慾の深い奴は潰《つぶ》しにしても余程の値《ねうち》だから盗むかも知れない、厨子《ずし》ごと貸すにより胴巻《どうまき》に入れて置くか、身体に脊負《せお》うておきな、それから又こゝにある雨宝陀羅尼経《うほうだらにぎょう》というお経をやるから読誦《どくじゅ》しなさい、此の経は宝を雨ふらすと云うお経で、是を読誦すれば宝が雨のように降るので、慾張《よくばっ》たようだが決してそうじゃない、是を信心すれば海の音という如来さまが降って来るというのじゃ、この経は妙月長者《みょうげつちょうじゃ》という人が、貧乏人に金を施《ほどこ》して悪い病の流行《はや》る時に救ってやりたいと思ったが、宝がないから仏の力を以《
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