て返事をするなどと仰しゃると、又娘が心配して、仮令《たとい》殿様が下さる気でも孝助殿が何《ど》うだかなどゝ申しましょうが、そうはっきり事が定《きま》れば、娘は嬉しがって飯の五六杯位も食べられ、一|足飛《そくとび》に病気も全快致しましょう、善は急げの譬《たとえ》で、明日《みょうにち》御番帰《ごばんがえ》りに結納《ゆいのう》の取りかわせを致しとう存じますから、どうか孝助殿をお供に連れてお出で下さい、娘にも一寸《ちょっと》逢わせたい」
飯「まア一献《いっこん》差上げるから」
と云っても相川は大喜びで、汗をダク/\流し、早く娘に此の事を聞かせとうございますから、今日はお暇《いとま》を申しましょうと云いながら、帰ろうとして、
「アイタ、柱に頭をぶっつけた」
飯「そゝっかしいから誰《たれ》か見て上げな」
飯島平左衞門も心嬉しく、鼻|高々《たか/″\》と、
飯「孝助を呼べ」
國「孝助は不快で引いて居ります」
飯「不快でも宜しい、一寸《ちょっと》呼んでまいれ」
國「お竹どん/\、孝助を一寸呼んでおくれ、殿様が御用がありますと」
竹「孝助どん/\、殿様が召しますよ」
孝「へい/\只今|上《あが》りま
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