た》だッて男女《なんにょ》七歳にして席を同《おなじ》ゅうせず、瓜田《かでん》に履《くつ》を容《い》れず、李下《りか》に冠《かんむり》を正さず位の事は弁《わきま》えておりましょう」
源「黙れ左様な無礼な事を申して、若《も》し用があったらどう致す、イヤサ御主人がお留守でも用の足りる仔細《しさい》があったら何《ど》うする積りだ」
孝「殿様がお留守で御用の足りる筈《はず》はありません、へい若しありましたら御存分になさいまし」
源「然《しか》らば是を見い」
 と投げ出す片紙《はがみ》の書面《しょめん》。孝助は手に取上《とりあ》げて読み下《くだ》すに、
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一|筆《ぴつ》申入候《もうしいれそろ》過日御約束|致置候《いたしおきそろ》中川漁船|行《こう》の儀は来月四日と致度《いたしたく》就《つい》ては釣道具|大半《なかば》破損致し居候間《おりそろあいだ》夜分にても御閑《おひま》の節|御入来之上《ごじゅらいのうえ》右釣道具|御繕《おんつくろ》い直し被下候様奉願上候《くだされたくねがいたてまつりそろ》。
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[#地から4字上げ]飯島平左衞門
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