ゞ》めをさして、両人《ふたり》の首を切り髻《たぶさ》を持ったが、首という物は重いもので、孝助は敵を討って、もうこれでよいと思うと心に緩《ゆる》みが出て尻もちをついて、
孝「あゝ有難い、日頃信心する八|幡築土明神《まんつくどみょうじん》のお蔭をもちまして、首尾よく敵を討ちおおせました」
と拝みをして、どれ行《ゆ》こうと立上ると、
「人殺《ひとごろし》々々」
という声がするからふり向くと、龜藏と相助の二人が眼が眩《くら》んでるから、知らずに孝助の方へ逃げて来るから、此奴《こいつ》も敵の片われと二人とも切殺して二つの首を下げて、ひょろ/\と宇都宮へ帰って来ますと、往来《ゆきゝ》の者は驚きました。生首を二つ持《もっ》て通るのだから驚きます。中には殿様へ訴える者もありました。孝助はすぐに五郎三郎の所へ行って敵を討った次第をのべ、殊《こと》に
「母がまだ目が見えますか」
と云われ、五郎三郎は妹《いもと》の首を見て胸|塞《ふさ》がり、物も云えない。母上様《おっかさま》は先程息がきれましたというから、この儘《まゝ》では置けないというので、御領主様へ届けると、敵討《かたきうち》の事だからというので
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