、孝助は人を付けて江戸表へ送り届ける。孝助は相川の所へ帰り、首尾よく敵を討った始末を述べ、それよりお頭《かしら》小林へ届ける。小林から其の筋へ申立て、孝助が主人の敵を討った廉《かど》を以《もっ》て飯島平左衞門の遺言に任せ、孝助の一|子《し》孝太郎を以て飯島の家を立てまして、孝助は後見となり、芽出度く本領安堵《ほんりょうあんど》いたしますと、其の翌日伴藏がお仕置になり、其の捨札《すてふだ》をよんで見ますと、不思議な事で、飯島のお嬢さまと萩原新三郎と私通《くッつ》いた所から、伴藏の悪事を働いたということが解りましたから、孝助は主人の為《た》め娘の為め、萩原新三郎の為めに、濡《ぬ》れ仏《ぼとけ》を建立《こんりつ》いたしたという。これ新幡随院濡れ仏の縁起《えんぎ》で、此の物語も少しは勧善懲悪《かんぜんちょうあく》の道を助くる事もやと、かく長々とお聴《きゝ》にいれました。
[#地から1字上げ](拠若林※[#「王+甘」、第4水準2−80−65]藏筆記)
底本:「圓朝全集 巻の二」近代文芸資料複刻叢書、世界文庫
1963(昭和38)年7月10日発行
底本の親本:「圓朝全集 巻の二」春陽堂
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