ませんが、鉄砲を切り落せる訳で、あの辺は芋畑が沢山あるから、其の芋茎《ずいき》へ火縄を巻き付けて、それを持って追剥《おいはぎ》がよく旅人《りょじん》を威《おど》して金を取るという事を、予《かね》て龜藏が聞いて知ってるから、そいつを持って孝助を威かした。芋茎だから誰にでも切れます。是《こ》れなら圓朝にでも切れます。龜藏が
「アッ」
と云って倒れたから、相助は驚いて逃出す所を、後ろから切掛《きりかけ》るのを見て、お國は
「アレ人殺し」
と云いながら鉄砲を放り出して雑木山へ逃げ込んだが、木の中だから帯が木の枝に纒《から》まってよろける所を一刀《ひとたち》あびせると、
「アッ」
と云って倒れる。源次郎は此の有様を見て、おのれお國を斬った憎い奴と孝助を斬ろうとしたが、雑木山で木が邪魔に成って斬れない所を、孝助は後《うしろ》から来る奴があると思って、いきなり振返りながら源次郎の肋《あばら》へ掛けて斬りましたが、殺しませんでお國と源次郎の髻《もとどり》を取って栗の根株に突き付けまして、
孝「やい悪人わりゃア恩義を忘却して、昨年七月廿一日に主人飯島平左衞門の留守を窺《うかゞ》い、奥庭へ忍び込んで
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