れる事じゃアありません」
孝「誠に神の引合せでございます、お母様お懐かしゅうございました、私《わたくし》は昨年越後の村上へ参り、段々御様子を伺《うかゞ》いますれば、澤田右衞門様の代も替り、お母様のいらっしゃいます所も知れませんから、何うがなしてお目に懸りたいと存じていましたに、図《はか》らずこゝでお目に懸り、先《ま》ずお壮健《すこやか》でいらッしゃいまして、斯《こ》んな嬉しい事はございません」
りゑ「よくマア、嘸《さぞ》お前は私を怨んでおいでだろう」
白「そんな話をこゝでしては困るわな、併《しか》し十九年ぶりで親子の対面、嘸話があろうが、いらざる事だが、供に知れても宜《よ》くない事もあろうから、何処《どこ》か待合《まちあい》か何かへ行ってするがいゝ」
孝「はい/\、先生お蔭様で誠に有難うございました、良石様のお言葉といい、貴方様の人相のお名人と申し、実に驚き入りました」
白「人相が名人というわけでもあるまいが、皆こうなっている因縁だから見料《けんりょう》はいらねえから帰りな、ナニ些《ちっ》とばかり置いて行くか、それも宜かろう」
りゑ「種々《いろ/\》お世話様、有り難う存じました、孝助や
前へ 次へ
全308ページ中266ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング