身を顫《ふる》わせて、忽《たちま》ち息は絶えましたが、此の志丈も伴藏に与《くみ》し、悪事をした天罰のがれ難く斯《かゝ》る非業を遂げました、死骸を見て伴藏は後《あと》へさがり、逃げ出さんとする所、御用と声掛け、八方より取巻かれたに、伴藏も慌《あわ》てふためき必死となり、捕方《とりかた》へ手向いなし、死物狂いに斬り廻り、漸《ようや》く一方を切抜けて薄《すゝき》だゝみへ飛込んで、往来の広い所へ飛出す出合がしら、伴藏は眼も眩《くら》み、是《こ》れも同じ捕方と思いましたゆえ、ふいに孝助に斬掛けましたが、大概の者なれば真二《まっぷた》つにもなるべき所なれども、流石《さすが》は飯島平左衞門の仕込で真影流に達した腕前、殊《こと》に用意をした事ゆえ、それと見るより孝助は一|歩《あし》退《しりぞ》きしが、抜合《ぬきあわ》す間もなき事ゆえ、刀の鍔元《つばもと》にてパチリと受流し、身を引く途端に伴藏がズルリと前へのめる所を、腕を取って逆に捻倒《ねじたお》し。
孝「やい/\曲者《くせもの》何《なん》と致す」
曲「へい真平御免《まっぴらごめん》下さえまし」
相「そら出たかえ、孝助怪我は無いか」
孝「へい怪我はござ
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