は出来ないと思案にくれている処へ、先程幸手へ使《つかい》に遣《や》りました下男の仲助《なかすけ》が、医者同道で帰って来て、
男「旦那只今|帰《けえ》りやした、江戸からお出《い》でなすったお上手なお医者様だそうだがやっと願いやして御一緒に来てもらいやした」
伴「これは/\御苦労さま、手前方は斯《こ》う云う商売柄店も散らかっておりますから、先《ま》ず此方《こちら》へお通り下さいまし」
と奥の間へ案内をして上座《かみざ》に請《しょう》じ、伴藏は慇懃《いんぎん》に両手をつかえ、
伴「初めましてお目通りを致します、私《わたくし》は関口屋伴藏と申します者、今日《こんにち》は早速の御入《おいり》で誠に御苦労様に存じまする」
医「はい/\初めまして、何か急病人の御様子、ハヽアお熱で、変な譫語《うわこと》などを云うと」
と言いながら不図《ふと》伴藏を見て、
「おや、これは誠に暫《しば》らく、これはどうも誠にどうも、どうなすって伴藏さん、先《ま》ず一別以来相変らず御機嫌宜しく、どうもマア図《はか》らざるところでお目に懸りました、これは君の御新宅《ごしんたく》かえ、恐入ったねえ、併《しか》し君は斯《か》
前へ
次へ
全308ページ中220ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング