はぎ》が出て己の胸《むな》ぐらを掴《つか》まえたのを、払って漸く逃げて来たが、おみねは土手下へ降りたから、悪くすると怪我をしたかも知れない、何《ど》うも案じられる、どうか皆《みんな》一緒に行って見てくれ」
というので奉公人一同大いに驚き、手に/\半棒《はんぼう》栓張棒《しんばりぼう》なぞ携《たずさ》え、伴藏を先に立て土手下へ来て見れば、無慙《むざん》やおみねは目も当てられぬように切殺されていたから、伴藏は空涙《そらなみだ》を流しながら、
伴「あゝ可愛相な事をした、今一ト足早かったら、斯《こ》んな非業な死はとらせまいものを」
と嘘を遣《つか》い、人を走《は》せて其の筋へ届け、御検屍《ごけんし》もすんで家《うち》に引取り、何事もなく村方へ野辺の送りをしてしまいましたが、伴藏が殺したと気が付くものは有りません。段々|日数《ひかず》も立って七日目の事ゆえ、伴藏は寺参りをして帰って来ると、召使のおますという三十一歳になる女中が俄《にわか》にがた/\と慄《ふる》えはじめて、ウンと呻《うな》って倒れ、何か譫言《うわこと》を云って困ると番頭がいうから、伴藏が女の寝ている所へ来て、
伴「お前《めえ》
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