しゅっぽん》の趣《おもむき》の届《とゞけ》を出す。飯島の方へはお目附が御検屍《ごけんし》に到来して、段々死骸を検《あらた》め見るに、脇腹に槍の突傷《つきゝず》がありましたから、源次郎如き鈍き腕前にては兎《と》ても飯島を討つ事は叶《かな》うまじ、されば必ず飯島の寝室《ねま》に忍び入り、熟睡の油断に附入《つけい》りて槍を以《もっ》て欺《だま》し討ちにした其の後《のち》に、刀を以て斬殺《きりころ》したに相違なしということで、源次郎はお尋ね者となりましたけれども、飯島の家《いえ》は改易《かいえき》と決り、飯島の死骸は谷中新幡随院へおくり、こっそりと野辺送りをしてしまいました。こちらは孝助、御主人が私《わたくし》の為《た》めに一命をお捨てなされた事なるかと思えば、いとゞ気もふさぎ、欝々としていますと、相川はお頭から帰って、
相「婆アや、少し孝助殿と相談があるから此方《こちら》へ来てはいかんよ、首などを出すな」
婆「何か御用で」
相「用じゃないのだよ、そっちへ引込《ひっこ》んでいろ、これ/\茶を入れて来い、それから仏様へ線香を上げな、さて孝助殿少し話したい事もあるから、まア/\此方《こっち》へ/\
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