うな声を出して、
源「狼藉ものが這入りました/\」
と騒ぎ立てるに、隣家《となり》の宮野邊源之進はこれを聞附《きゝつ》け思う様《よう》、飯島のごとき手者《てしゃ》の処《ところ》へ押入る狼藉ものだから、大勢《たいぜい》徒党《ととう》したに相違ないから、成るたけ遅くなって、夜が明けて往《ゆ》く方がいゝと思い先《ま》ず一同を呼起《よびおこ》し、蔵へまいって著込《きごみ》を持ってまいれの、小手《こて》脛当《すねあて》の用意のと云っているうちに、夜《よ》はほの/″\と明け渡りたれば、もう狼藉者はいる気遣《きづかい》はなかろうと、源之進は家来一二|人《にん》を召連れ来て見れば此の始末。如何《いかゞ》したる事ならんと思うところへ、一人《ひとり》の女中が下流しから這上《はいあが》り、源之進の前に両手をつかえ、
「実は昨晩の狼藉者は、貴方様の御舎弟《おしゃてい》源次郎様とお國さんと、疾《と》うから密通してお出《い》でになって、昨夜殿様を殺し、金子衣類を窃取《ぬすみと》り、何処《いずく》ともなく逃げました」
と聞いて源之進は大いに驚き、早速に邸《やしき》へ立帰り、急ぎお頭《かしら》へ向け源次郎が出奔《
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