|不鍛錬《ふたんれん》な者なれども、飯島は此の深傷《ふかで》にては彼の刃に打たれて死するに相違なし、併《しか》し打たれて死ぬまでも此の槍にてしたゝかに足を突くか手を突いて、亀手《てんぼう》か跛足《びっこ》にでもして置かば、後日《ごにち》孝助が敵討《かたきうち》を為《す》る時幾分かの助けになる事もあるだろうから、何処《どっ》かを突かんと狙い詰められ、
源「伯父さま私《わたくし》は何も槍で突かれる様な覚えはございません」
飯「黙れ」
 と怒りの声を振立てながら、一歩《ひとあし》進んで繰出《くりだ》す槍鋒《やりさき》鋭く突きかける。源次郎はアッと驚き身を交《かわ》したが受け損じ、太股へ掛けブッツリと突き貫き、今一本突こうとしましたが、孝助に突かれた深傷《ふかで》に堪《た》え兼ね、蹌々《よろ/\》とする所を、源次郎は一本突かれ死物狂いになり、一刀を抜くより早く飛込みさま飯島目掛けて切り付ける。切付けられてアッと云って蹌《ひょろ》めく処《ところ》へ、又、太刀深く肩先へ切込まれ、アッと叫んで倒れる処へ乗し掛って、恰《まる》で河岸《かし》で鮪《まぐろ》でもこなす様に切って仕舞いました。お國は中《ちゅ
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