掛け、行灯《あんどん》の明り掻き立て読下《よみくだ》して相川も、ハッとばかりに溜息《ためいき》をついて驚きました。

        十四

 伴藏は畑へ転がりましたが、両人の姿が見えなくなりましたから、慄《ふる》えながらよう/\起上り、泥だらけの儘《まゝ》家《うち》へ駈け戻り、
伴「おみねや、出なよ」
みね「あいよ、どうしたえ、まア私は熱かったこと、膏汗《あぶらあせ》がビッショリ流れる程出たが、我慢をして居たよ」
伴「手前《てめえ》は熱い汗をかいたろうが、己《おら》ア冷《つめ》てえ汗をかいた、幽霊が裏窓から這入《はい》って行ったから、萩原様は取殺《とりころ》されて仕舞うだろうか」
みね「私の考えじゃア殺すめえと思うよ、あれは悔しくって出る幽霊ではなく、恋しい/\と思っていたのに、お札が有って這入れなかったのだから、是が生きている人間ならば、お前さんは余《あんま》りな人だとか何《なん》とか云って口説《くぜつ》でも云う所だから殺す気遣《きづかい》はあるまいよ、どんな事をしているか、お前見ておいでよ」
伴「馬鹿をいうな」
みね「表から廻ってそっと見ておいでヨウ/\」
 といわれるから、伴藏
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