質に置くことも出来ず、と云って宅《うち》へ置いて、幽霊が札が剥がれたから萩原様の窓から這入《へい》って、萩原様を喰殺《くいころ》すか取殺《とりころ》した跡をあらためた日にゃア、お守が身体にないものだから、誰《たれ》か盗んだに違《ちげ》えねえと詮議になると、疑《うたぐ》りのかゝるは白翁堂か己《おれ》だ、白翁堂は年寄の事で正直者だから、此方《こっち》はのっけ[#「のっけ」に傍点]に疑ぐられ、家捜《やさが》しでもされてこれが出ては大変だから何《ど》うしよう、これを羊羹箱《ようかんばこ》か何かへ入れて畑へ埋めて置き、上へ印の竹を立てゝ置けば、家捜しをされても大丈夫だ、そこで一旦身を隠して、半年か一年も立って、ほとぼりの冷めた時分|帰《けえ》って来て掘出《ほりだ》せば大丈夫知れる気遣《きづかい》はねえ」
みね「旨い事ねえ、そんなら穴を深く掘って埋めてお仕舞いよ」
 と、直《すぐ》に伴藏は羊羹箱の古いのに彼《か》の像を入れ、畑へ持出《もちだ》し土中《どちゅう》へ深く埋めて、其の上へ目標《めじるし》の竹を立置《たてお》き立帰《たちかえ》り、さアこれから百両の金の来るのを待つばかり、前祝いに一杯やろう
前へ 次へ
全308ページ中145ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング