うち》に忽《たちま》ち五六十|両《りやう》の金子《かね》を鵜呑《うのみ》にしたから堪《たま》らない、悶掻《もがき》※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]《まは》つて苦しみ出し。源「ウーンウーン金兵衛《きんべゑ》さん、金兵衛《きんべゑ》さん。金「あい/\今《いま》行《い》くよ、今《いま》行《い》くよ。源「ウーン/\。金「何《ど》うしたい。源「ハツ/\。金「おゝ/\お湯も何《なに》も飜《こぼ》れて大変《たいへん》だ。源「ド何卒《どうぞ》お湯をもう一杯下さい。金「サお喫《あが》り。源「へい有難《ありがた》う。微温湯《ぬるまゆ》だから其儘《そのまゝ》ゴツクリ飲《の》むと、空《から》ツ腹《ぱら》へ五六十|両《りやう》の金子《かね》と餅《もち》が這入《はいつ》たのでげすからゴロ/\/\と込上《こみあ》げて来《き》た。源「ムツ、ムツ。金「オヽ吐《は》くのか吐《は》くなら少しお待ち、サ此飯櫃《このおはち》の蓋《ふた》ン中《なか》へ悉皆《すつかり》吐《は》いてお了《しま》ひ。源「ハツ/\ド何《ど》うぞモウ一杯お湯を…。金「サお上《あが》り。源「へい有難《ありがた》う。グート息《いき》をも継《つ》かず
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