に飲《の》むと、ゴロ/\/\と喉《のど》へ詰《つ》まつたからウーム、バターリと仰向《あふむけ》さまに顛倒《ひつくりかへ》つて了《しま》ふ。金「アヽおい源八《げんぱち》さん、源八《げんぱち》さん、アヽ死んだ、何《ど》うも此金《このかね》があるんで今迄《いままで》死切《しにき》れずに居《ゐ》たんだナ、金《かね》を腹《はら》ん中《なか》い入《い》れちまつてモウ誰《たれ》にも取られる気遣《きづかひ》がないから安心して死んだのだが何《ど》うも強慾《がうよく》な奴《やつ》もあつたもんだな、是《これ》が所謂《いはゆる》有財餓鬼《うざいがき》てえんだらう、何《なに》しろ此儘《このまゝ》葬《はう》むつて了《しま》ふのは惜《をし》いや、腹《はら》ン中《なか》に五六十|両《りやう》の金子《かね》が這入《はいつ》てる、加之《おまけ》に古金《こきん》だ、何《ど》うして呉《くれ》よう、知つてるのは己《おれ》ばかりだが、ウム、宜《い》い事がある。直《すぐ》に宅《たく》へ帰《かへ》つて羽織《はおり》を引《ひき》かけ差配人《さはいにん》の宅《たく》へやつて来《き》ました。金「エヽ今日《こんち》は。「おや是《これ》は能《
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