が、アヽ云《い》ふ奴《やつ》は屹度《きつと》物《もの》を喰《く》はうとするとボーと火か何《なに》か燃上《もえあが》るに違《ちげ》えねえ、一|番《ばん》見たいもんだな、食物《くひもの》から火《ひ》の燃《もえ》る処《ところ》を、ウム、幸《さいは》ひ壁《かべ》が少し破れてる、斯《か》うやつて火箸《ひばし》で突《つ》ツついて、ブツ、ヤー這出《はひだ》して竹の皮を広《ひろ》げやアがつた、アレ丈《だけ》悉皆《みんな》喰《く》つちまうのか知ら。見て居《ゐ》るとも知らず源八《げんぱち》は餅《もち》を取上《とりあ》げ二ツに割《わつ》て中《なか》の餡《あん》を繰出《くりだ》し、餡《あん》は餡《あん》餅《もち》は餅《もち》と両方《りやうはう》へ積上《つみあ》げまして、突然《とつぜん》懐中《ふところ》へ手《て》を突込《つツこ》み暫《しばら》くムグ/\やつて居《ゐ》たが、ズル/\ツと扱出《こきだ》したは御納戸《おなんど》だか紫《むらさき》だか色気《いろけ》も分《わか》らぬ様《やう》になつた古《ふる》い胴巻《どうまき》やうな物《もの》を取出《とりだ》しクツ/\と扱《こ》くと中《なか》から反古紙《ほごがみ》に包《つ
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