からまア止《よ》しませう、夫《それ》より私《わつし》は喫《た》べて見たいと思ふ物がありますがね。金「何《なん》です、遠慮《ゑんりよ》なく然《さ》うお云《い》ひなさい、私《わつし》が買つて来《き》て上《あ》げませう、何様《どん》な物が喫《た》べたいんです、何《ど》うも何《なん》だツて沢山《たんと》は喫《た》べられやしますまい。源「アノ私《わつし》は大福餅《だいふくもち》か今坂《いまさか》のやうなものを喫《た》べて見たいのです。金「餅気《もちツけ》のものを沢山《たんと》喰《くつ》ちやア悪くはありませぬか。源「いえ悪くつても構《かま》ひませぬ。金「ぢやア買つて来《き》ませう、二《ふた》つか三《みつ》つあれば宜《い》いんでせう。源「いえ、何卒《どうぞ》三十ばかり。金「其様《そん》なに喰《く》へやアしませぬよ。源「ナニ喰《く》へますから、願ひたいもので。金「ぢやア買つて来《き》ませう。直《すぐ》に出《で》かけたが間《ま》もなく竹の皮包《かはづゝみ》を二包《ふたづゝみ》持《もつ》て帰《かへ》つて参《まゐ》り、金「サ買つて来《き》たよ。源「アヽ、有難《ありがた》う。金「サ、お湯《ゆ》を汲《く》んで上
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