《れうけん》で居《ゐ》なくツちやアいけませぬよ。源「いえ私《わつし》はそら六十四ですもの。金「ナニ八十になつても九十になつても生きてる人は生きて居《ゐ》ます、死にたいからつて死なれるものぢやないから確《しつ》かりして居《ゐ》なくツちやア。源「有難《ありがた》う存《ぞん》じます、毎度《まいど》御親切《ごしんせつ》にお見舞《みまひ》下《くだ》すつて。金「お前《まへ》さん医者《いしや》に掛《かゝ》つたら何《ど》うです。源「いえ掛《かゝ》りませぬ。金「其様《そん》な事《こと》を云《い》はないでさ、此奥《このおく》の幸斎先生《かうさいせんせい》は大層《たいそう》上手《じやうず》だてえから呼んで来《き》て上《あ》げませうか。源「いえいけませぬ、いけませぬ、ハツ/\医者《いしや》に掛《かゝ》るのも宜《よ》うがすが、直《すぐ》と薬礼《やくれい》を取られるのが残念ですから。金「医者《いしや》に掛《かゝ》れば是非《ぜひ》薬礼《やくれい》を取られますよ併《しか》し夫《それ》が厭《いや》なら買薬《かひぐすり》でもしなすつたら。源「買薬《かひぐすり》だツて薬違《くすりちがひ》でもすると大事《おほごと》になります
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