《れうけん》で居《ゐ》なくツちやアいけませぬよ。源「いえ私《わつし》はそら六十四ですもの。金「ナニ八十になつても九十になつても生きてる人は生きて居《ゐ》ます、死にたいからつて死なれるものぢやないから確《しつ》かりして居《ゐ》なくツちやア。源「有難《ありがた》う存《ぞん》じます、毎度《まいど》御親切《ごしんせつ》にお見舞《みまひ》下《くだ》すつて。金「お前《まへ》さん医者《いしや》に掛《かゝ》つたら何《ど》うです。源「いえ掛《かゝ》りませぬ。金「其様《そん》な事《こと》を云《い》はないでさ、此奥《このおく》の幸斎先生《かうさいせんせい》は大層《たいそう》上手《じやうず》だてえから呼んで来《き》て上《あ》げませうか。源「いえいけませぬ、いけませぬ、ハツ/\医者《いしや》に掛《かゝ》るのも宜《よ》うがすが、直《すぐ》と薬礼《やくれい》を取られるのが残念ですから。金「医者《いしや》に掛《かゝ》れば是非《ぜひ》薬礼《やくれい》を取られますよ併《しか》し夫《それ》が厭《いや》なら買薬《かひぐすり》でもしなすつたら。源「買薬《かひぐすり》だツて薬違《くすりちがひ》でもすると大事《おほごと》になりますからまア止《よ》しませう、夫《それ》より私《わつし》は喫《た》べて見たいと思ふ物がありますがね。金「何《なん》です、遠慮《ゑんりよ》なく然《さ》うお云《い》ひなさい、私《わつし》が買つて来《き》て上《あ》げませう、何様《どん》な物が喫《た》べたいんです、何《ど》うも何《なん》だツて沢山《たんと》は喫《た》べられやしますまい。源「アノ私《わつし》は大福餅《だいふくもち》か今坂《いまさか》のやうなものを喫《た》べて見たいのです。金「餅気《もちツけ》のものを沢山《たんと》喰《くつ》ちやア悪くはありませぬか。源「いえ悪くつても構《かま》ひませぬ。金「ぢやア買つて来《き》ませう、二《ふた》つか三《みつ》つあれば宜《い》いんでせう。源「いえ、何卒《どうぞ》三十ばかり。金「其様《そん》なに喰《く》へやアしませぬよ。源「ナニ喰《く》へますから、願ひたいもので。金「ぢやア買つて来《き》ませう。直《すぐ》に出《で》かけたが間《ま》もなく竹の皮包《かはづゝみ》を二包《ふたづゝみ》持《もつ》て帰《かへ》つて参《まゐ》り、金「サ買つて来《き》たよ。源「アヽ、有難《ありがた》う。金「サ、お湯《ゆ》を汲《く》んで上
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