》ひをしようといふので、是《これ》から漬物屋《つけものや》を初めた。すると相応《さうおう》に商《あきな》ひもあるから、商《あきな》ひ高《だか》の内《うち》より貯《た》めて置いて、これを多助《なすけ》に預《あづ》けたのが段々《だん/\》積《つも》つて、二百|両《りやう》ばかりになつた。其頃《そのころ》の百|両《りやう》二百|両《りやう》と云《い》ふのは大《たい》したものだから、もう是《これ》で国《くに》へ帰《かへ》つて田地《でんぢ》も買《か》へるし、家《いへ》も建《た》てられるといふので、大《おほ》いに悦《よろこ》んで多助《たすけ》に相談の上《うへ》、国《くに》へ帰《かへ》つた。国《くに》へ帰《かへ》つて田地《でんち》を買ふ約束をしたり、家《いへ》を建《たて》る木材《きざい》を山から伐《き》り出《だ》すやうにしたり、ちやんと手筈《てはず》を付《つ》けて江戸《えど》へ帰《かへ》つて来《く》ると、塩原多助《しほばらたすけ》が死《し》んでゐた。さア大《おほ》いに驚《おどろ》いて、早速《さつそく》多助《たすけ》の家《うち》へ行《い》つて、番頭《ばんとう》に掛合《かけあ》ふと、番頭《ばんとう》は狡
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