一人《ひとり》気《き》が違《ちが》つてしまつたと云《い》ふ騒《さわ》ぎ。それから其《そ》れが祟《たゝ》りはしないか/\といふ気病《きや》みで、今《いま》いふ神経病《しんけいびやう》とか何《なん》とか云《い》ふのだらうが、二代目はそれを気病《きや》みにして遂《つひ》に気《き》が違《ちが》つた。それから三代目が嫁《よめ》を貰《もら》つたのは、名前は忘れたが、何《なん》でもお旗本《はたもと》のお嬢様《ぢやうさま》とか何《なん》とかいふことだつた。お旗本《はたもと》のお嬢様《ぢやうさま》が嫁《よめ》に来《く》るやうな身代《しんだい》になつたのだから、たいした身代《しんだい》になつた。すると此《こ》の嫁《よめ》を姉《あね》と番頭《ばんとう》とで虐《いぢ》めたので、嫁《よめ》は辛《つら》くて居《ゐ》られないから、実家《さと》へ帰《かへ》ると、親父《おやぢ》は昔気質《むかしかたぎ》の武士《ぶし》だから、なか/\肯《き》かない、去《さ》られて来《く》るやうな者は手打《てうち》にしてしまふ、仮令《たとひ》どんな事があらうとも、女《をんな》は其《そ》の嫁《か》した家《いへ》を本当《ほんたう》の家《いへ》と
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