え》いわ」
清「成程己は僅《わずか》なお給金を戴いて飯炊をしてえるからッて、飯せえ焦がさねえようにしていれば宜《え》えというもんじゃアあんめえ、当家《うち》へ泥坊が這入《へい》ってお内儀様《かみさん》を斬殺《きりころ》しても、己が飯炊だからって、何《なん》にも構わずに竈《へっつい》の前《めえ》にぶっ坐《つわ》ってゝ宜えと思わしゃるか、汝《われ》が曲った心に識別するから然《そ》ういう間違った事をいうだ、コレよく考《かんげ》えて見ろよ、汝は粂どんを憎むから、少しのことを廉《かど》に取って粂どんが嬢様《じょうさま》を殺したなんてえが、何処《どこ》までも汝がそんな事を頑張って殺したといわば、己《おら》ア合点《がってん》しねえだ、粂どんが庭へ来てお嬢様と相談して、明日《あした》の晩連れて逃げようてえ約束をしたのを見たと云わば、何故早く其の事をお内儀様へ知らせねえだ、粂どんがコソ/\でお嬢様を誘い出しに来やしたから、油断をしねえが宜《よ》うがすとちょっと知らせればそれで宜《え》えだ、然うすれば直《す》ぐにお嬢様を他家《わき》へ預けるとか、左《さ》もなければお内儀様が気イ附けて奉公人も皆起きて居《
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