り付けるぞ、コレ頭を禿《はげ》らかしやアがって馬鹿も休み休み云え、粂どんが人を殺して金を取る様な人か人でねえか大概《てえげえ》解りそうなもんだ、手前《てめえ》の心に識別ウするから其様《そんな》事を吐《ぬか》すんだ、己が半分取ったたア何だ、撲り付けるぞ」
番「打《ぶ》たいでも宜《え》え、私《あたい》は理の当然をいうのや、お嬢|様《さま》を殺して金子《かね》を取ったという訳じゃないが、然《そ》う思われても是非がないと云うのや」
鳶「何が是非がないんだ、撲倒《はりたお》すぞ」
清「まア/\少し待っておくれ」
と云いながら台所より出て来たは清助というお飯炊《まんまたき》。
清「鳶頭まア/\貴方《あんた》は正直な方だから、こんな事を云われたら、嘸《さぞ》はア胆《きも》が焦《い》れて堪《たま》るめえが、己が一と通りいわねばなんねえ事があるだアから、少し待ったが宜《え》え――コレ番頭さん、此処《こゝ》へ出ろ」
番「何じゃ、汝《おのれ》が出る幕じゃアない、汝は飯炊《めしたき》だから台所に引込《ひっこ》んで、飯の焦《こげ》ぬように気を附けて居《お》れ、此様《こない》な事に口出しをせぬでも宜《
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