てはいけねえよ、手の先《さき》と天窓《あたま》の先《さき》を揃《そろ》へ、胴《どう》を詰《つ》めて閑雅《しとやか》に辞儀《じぎ》をして、かね/″\お招《まね》きに預《あづ》かりました半田屋《はんだや》の長兵衛《ちやうべゑ》と申《まう》す者で、至《いた》つて未熟《みじゆく》もの、此後《こののち》ともお見知《みし》り置《お》かれて御懇意《ごこんい》に願ひますと云《い》ふと、先《まづ》此方《こちら》へと、鑑定《めきゝ》をして貰《もら》ふ積《つも》りで、自慢《じまん》の掛物《かけもの》は松花堂《しやうくわだう》の醋吸《すすひ》三|聖《せい》[#「醋吸《すすひ》三|聖《せい》」の左に白丸傍点]を見せるだらう、宜《よ》い掛物《かけもの》だ、箱書《はこがき》は小堀《こぼり》権《ごん》十|郎《らう》で、仕立《したて》が慥《たし》か宜《よ》かつたよ、天地《てんち》が唐物緞子《からものどんす》、中《なか》が白茶地《しらちやぢ》の古金襴《こきんらん》で。弥「へえー……何《なに》を。長「松花堂《しようくわだう》の三|教《けう》醋吸《すすひ》の図《づ》で、風袋《ふうたい》一|文字《もんじ》が紫印金《むらさきいん
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