つて置くのを見て、これは贋《にせ》でございますとも謂《い》へんから、あゝ結構《けつこう》なお道具《だうぐ》だと誉《ほ》めなければならん、それが厭《いや》だから己《おれ》の代《かは》りに彼《あ》の弥吉《やきち》の馬鹿野郎《ばかやらう》を遣《や》つて、一|度《ど》でこり/\するやうにしてやらう。女房「お止《よ》し遊ばせよ、あなたは彼《あれ》を怜悧《りこう》と思召《おぼしめ》して目を掛《か》けていらツしやいますが、今朝《けさ》も合羽屋《かつぱや》の乳母《おんば》さんが店でお坊《ばう》さんを遊ばして居《ゐ》る傍《そば》で、弥吉《やきち》が自分の踵《かゝと》の皮を剥《む》いて喰《た》べさせたりして、お気の毒な、子供衆《こどもしゆ》だもんですから、何《なに》も知らずむしや/\喰《た》べて居《ゐ》ましたが、本当に汚《きたな》い事をするぢやア有《あ》りませんか、それに此頃《このごろ》では生意気《なまいき》になつて、大人《おとな》に腹を立たせますよ。長「いや、馬鹿《ばか》と鋏《はさみ》は使ひやうだ、お前《まへ》は嫌《きら》ひだが、己《おれ》は嗜《すき》だ……弥吉《やきち》や何処《どこ》へ往《い》つた、弥
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