り。弥「揚物《あげもの》が解《わか》るか、揚物《あげもの》てえと素人《しらうと》は天麩羅《てんぷら》だと思ふだらうが、長《なげ》えのを漸々《だん/″\》詰《つ》めたのを揚物《あげもの》てえのだ、それから早く掛物《かけもの》を出して見せなよ、破《やぶ》きアしねえからお見せなせえ、いんきんだむしの附着《くつゝ》いてる箱は川原崎《かはらさき》権《ごん》十|郎《らう》の書《か》いたてえ……えゝ辷《すべ》つて転《ころ》んだので忘れちまつた、醋吸《すすひ》の三|聖《せい》格子《かうし》に障子《しやうじ》に……簾《すだれ》アハヽヽヽ、おい何《ど》うした、確《しつ》かりしねえ。主人《あるじ》五左衛門《ござゑもん》は驚《おどろ》きまして太鼓張《たいこばり》のふすまを開《あ》けて、五「アツ。と口《くち》を開《あ》けたまゝ水屋《みづや》の方《はう》へ飛出《とびだ》しました。弥「おい……ハヽヽ彼方《あつち》へ逃《に》げて往《い》きやアがつた、馬鹿《ばか》な奴《やつ》だなア……先刻《さつき》むぐ/\喰《く》つてゐた粟饅頭《あはまんぢう》……ムンこゝに烟《けむ》の出《で》る饅頭《まんぢう》がある、喰《くひ》かけて
前へ
次へ
全21ページ中20ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング