ても直《ぢき》に療《なほ》る禁厭《まじなひ》を教《をし》へて遣《や》らう、縄《なは》を持つて来《き》な、直《ぢき》に療《なほ》らア。主人「はてな…へえゝ。弥「痳病《りんびやう》(尋常《じんじやう》)に縄《なわ》にかゝれと云《い》ふのだ。主人「えへゝゝ御冗談《ごじようだん》ばかり、おからかひは恐入《おそれい》ります、えゝ始めまして……(丁寧《ていねい》に辞儀《じぎ》をして)手前《てまへ》は当家《たうけ》の主人《あるじ》五左衛門《ござゑもん》と申《まう》す至《いた》つて武骨《ぶこつ》もので、何卒《どうか》一|度《ど》拝顔《はいがん》を得《え》たく心得《こゝろえ》居《を》りましたが、中々《なか/\》大人《たいじん》は知らん処《ところ》へ御来臨《ごらいりん》のない事は存《ぞん》じて居《を》りましたが、一|度《ど》にても先生の御入来《おいで》がないと朋友《ほういう》の前《まへ》も実《じつ》に外聞《ぐわいぶん》悪《わる》く思ひます所から、御無礼《ごぶれい》を顧《かへり》みず再度《さいど》書面《しよめん》を差上《さしあ》げましたが、お断《ことわ》りのみにて今日《けふ》も御入来《おいで》は有《あ》るま
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