の事までも詳しく御存じだ。何卒《どうぞ》何卒御頼みします」
と紅木大臣は青眼先生の手を握って涙をこぼしながら頼みましたが、これを聞いていた他の者は皆真青になりまして、扨《さて》はいよいよ本当の悪魔が、紅矢様を狙っているのかと恐れ戦《おのの》いておりました。
青眼先生は承知したという印に胸に手を当て、敬礼をしました。そうして静かに紅矢の室に這入って、病人の様子を見ましたが、すっかり見てしまいますと、青眼先生は、ほっと安心した様子で皆に向って――
「皆様、御安心下さいまし。紅矢様の御病気は矢張り私の思い通り普通の怪我で、決して悪魔が狙っているのでは御座いませぬ。その御怪我も、只今は余程よくなっておいでになって、遠からず起きてお歩きになれる事と思います。けれどもなお用心のために、皆様は今までの通り、充分御気を附け遊ばして、御介抱なさるが宜《よろ》しゅう御座いましょう」
と申しました。そうして皆に挨拶をして悠々と家《うち》に帰って行きました。
けれども青眼先生は紅木大臣の家の門を出ると直ぐに、腕を組んで頭をうな垂れて、何かしきりに考えながら歩き出しました。そうして口の中で絶えず――
「
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