見るとまるで神様がお出でになったように前後《まえうしろ》から取り付きまして、昨夜《ゆうべ》からの事をすっかり話しました。すると青眼先生はどうした訳か、見る見るうちに顔色が変って、唇がぶるぶると震えて来ましたが、やがて思わず――
「七ツの悪魔。七ツの悪魔。そんな筈はない。そんな筈はない」
 と口走りました。けれども皆から、どうかしてこの紅矢の不思議な病気を助ける工夫はないかと責め立てられますと、いよいよ何だか恐ろしくて堪らなくなった様子で、歯を喰い締め眼を見張ったまま天井を睨《にら》んで立っていました。併しやがて先生はほっと一息深いため息をしながら皆の顔を見まわして申しました――
「はい、承知致しました。もし悪魔が、私の知っている悪魔で御座いましたならば、屹度退治して差上げまする。けれども私の考えではこれは悪魔の仕業ではないと思います。私は悪魔の居所《いどころ》をよく存じておりますから」
「そしてその悪魔とはどんな悪魔ですか」
 と紅木大臣は言葉せわしく尋ねました。青眼先生はこの問いを受けると又ハッと驚いた様子でしたが、やがて又何喰わぬ顔をして答えました――
「ハイ。その悪魔は世にも恐ろ
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