永続するかしないかは、男が女のヒス性又はサジ性を甘受するか否かにある。何でもハイハイと尻に敷かれるか否かにある事は、常識で判断してもわかる。

     二重の意味の快感

 女が一旦男を支配するようになると、どこまでも増長する。男を極度まで苦しめて飽きないものである事は、昔からその例証が多い。
 殊に、我儘からヒス性へ、ヒス性からサジ性へと加速度で進んで行くのは、教育ある婦人に限られているそうである。何故かと云うと、
 一、教育から見識が生れる。
 二、見識からプライドが生れる。
 三、プライドからヒステリーが生れる。
 四、ヒステリー性からサジスムス性が生れる。
 という四段論法が、最近の智識を有する男性社会に於て、真実と認められているからだそうである。
 ところでここに面白い事には、夜間はともかく、昼間に於て男性を窘《くる》しめる方法の第一は、買物に同伴する事だそうである。自分の好きなものを一ツ一ツ撰《え》り出す毎に、男が青くなったり赤くなったりするのを見るのは、二重の意味で云うに云われぬ面白さと愉快さだそうな。

     理解ある同伴

 東京が「理解ある結婚」の中心地である
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