に日に新しい深刻味を加えて来つつある。

     少女の悩みから

 少女の悩みは又違う。
 どうせお嫁に行かねばならぬが、その婿は自分で撰むわけに行かぬ場合が多い。そうして、いい処に行くために、面白くも何ともない学校の成績を挙げねばならぬ。ジッと音《おと》なしくしていなければならぬ。
 ――家事を習って――お裁縫を習って――作法を習って――お化粧をして――そうしてお婿さんの趣味と一致せねばならぬ――何でも盲従しなければならぬ――。
 女なんて、そんなつまらないものかしら。
 そんなら独立するとすれば――職業婦人にならねばならぬ。内的にあらゆる誘惑と戦って――外的には男子と実力の競争をして――そんな事が妾《わたし》に出来るか知ら――妾の趣味、智識の内容にそんなねうちがあるのか知ら――。
 今の東京はそんな悩みを刺戟する最新、最鋭の材料に満ち満ちている。
 こんな悩みが深ければ深いだけ、それだけ少女の頭に湧く空想や妄想が殖える。次第にセンチメンタルになり、神経衰弱になり、刹那の感興に涙ぐんだり狂喜したりする傾向が極端になる。そうして欺され易く、感化され易くなる。又は悩み抜いた揚句が、投
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