し下さいませ。そして長い長いお便りを首をのばして待っております。玉雄様、ほんとに親しく、何でも赤裸々に仰言《おっしゃ》って下さいませ……。
[#ここで字下げ終わり]
[#地から2字上げ]一九二四、四、三〇 夜
[#地から1字上げ]すえ子
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なつかしい……私の
 玉雄様御許へ
二伸
誠に恐れ入りますけれど、お写真がありましたら、
一枚お恵み下さいませ。お送り下さってもよろしゅう御座います。私のもお送りしちゃ不可《いけ》ないでしょう? でしたらお目にかかった時に、あなたのお手にさし上げますわ……ほんとに貧弱ですが。
今度会われる時は午後の三時頃で御座いますわ。
夜は絶対に出られないのですもの……昼ならよろしいのですけど。二十九日に逢われなかったのが何より残念ですわネ。
一の橋まで行ったのに……も少しであなたのお家でしたのに……いつかは神様が……その時を楽しみに待っております。
[#ここで字下げ終わり]
   ……………………
 この文を通じて、この少女の家庭は真面目である。女学校の上級生位の年頃で、しかも人生とか、自分の心とかいうものに対して、少女には珍らしい程はっき
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