とになっていた。ところが、これがうまく行かなかった。そのわけは、怪人集団の警戒心はいよいよ鋭くなって、城塞附近に投下される物に対して監視を怠らず、水面から落ちて来たものは城塞に達するまでに片端から爆破していたからであった。
ウラル号の使節団は、それに拘《かかわ》らず失望することなく、“尋ねたいことがある”旨の信号を発射し続けつつ、ひたむきに前進していった。
ウラル号が怪人集団の城塞の手前五キロのところに達したとき、突然艦は真正面より猛烈な外力をうけた。それは怪人集団の城塞よりの攻撃に違いなかった。もしこれが普通の構造を持った潜水艦なら、立ちどころに火の塊と化し去る筈であった。だがわがウラル号の場合はそうはならず、そのまま海中を後方へ一キロばかり押し返された――というよりも叩き飛ばされたのだった。
もしワーナー博士をはじめ乗組員たちが、緩衝帽衣をつけていなかった[#「いなかった」は底本では「いなかったら」、94−下段−13]としたら、彼等はこの激しい衝撃によって、頭部を壁にぶっつけて石榴《ざくろ》のように割られ、肋骨も四肢の骨もぽきぽき折られてしまったことであろう。だがかのゼムリヤ
前へ
次へ
全184ページ中172ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
丘 丘十郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング