ヴェルダン
野上豊一郎

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)流行《はや》る

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]し

〔〕:アクセント分解された欧文をかこむ
(例)〔Terre《テル》 de《ド》 Vende'e《ヴァンデェ》〕
アクセント分解についての詳細は下記URLを参照してください
http://aozora.gr.jp/accent_separation.html
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      一

 世界情勢の高速度的推移の中には、今ごろヴェルダンの戦場を見物したりすることを何だか Up−to−date でなく思わせるようなものがある。私たちがヴェルダンに行ったのは咋年(一九三九年)の初夏、まだ今度の大戦の始まらないうちではあったけれども、その時でさえすでに現代から懸け離れた一種の古戦場[#「古戦場」に傍点]でも弔うような気持があった。ところが、それから二三箇月もすると、いよいよ新しい
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