難し、是故に恩惠《めぐみ》によりてこれが驗《ためし》を經《ふ》べき者この例をもて足《た》れりとすべし 七〇―七二
天を統治《すべをさ》むる愛よ、我は汝が最後に造りし我の一部に過ぎざりしか、こは聖火《みひかり》にて我を擧げし汝の知り給ふ所なり 七三―七五
慕はるゝにより汝が無窮となしゝ運行、汝の整《とゝの》へかつ頒《わか》つそのうるはしき調《しらべ》をもてわが心を引けるとき 七六―七八
日輪の焔いとひろく天を燃《もや》すと見えたり、雨または河といふともかくひろがれる湖《うみ》はつくらじ 七九―八一
音《おと》の奇《くす》しきと光の大いなるとは、その原因《もと》につき、未だ感じゝことなき程に強き願ひをわが心に燃《もや》したり 八二―八四
是においてか、我を知ることわがごとくなりし淑女、わが亂るゝ魂を鎭《しづ》めんとて、我の未だ問はざるさきに口を啓《ひら》き 八五―八七
いひけるは。汝|謬《あやま》れる思ひをもて自ら己を愚《おろか》ならしむ。是故にこれを棄つれば見ゆるものをも汝は見るをえざるなり 八八―九〇
汝は汝の信ずるごとく今地上にあるにあらず、げに己が處を出でゝ馳《は》する電光《いなづ
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