ま》疾《はや》しといへども汝のこれに歸るに及ばじ。 九一―九三
わが第一の疑ひはこれらの微笑《ほゝゑ》める短き詞《ことば》によりて解けしかど、一の新《あらた》なる疑ひ起りていよ/\いたく我を絡《から》めり 九四―九六
我即ち曰《い》ふ。かの大いなる驚異《あやしみ》につきてはわが心既に足りて安んず、されどいかにしてわれ此等の輕き物體を超《こ》えて上《のぼ》るや、今これを異《あやし》とす 九七―九九
是においてか彼、一の哀憐《あはれみ》の大息《といき》の後、狂へる子を見る母のごとく、目をわが方にむけて 一〇〇―一〇二
いふ。凡《およ》そありとしあらゆる物、皆その間に秩序を有す、しかしてこれは、宇宙を神の如くならしむる形式ぞかし 一〇三―一〇五
諸※[#二の字点、1−2−22]の尊く造られし物、永遠《とこしへ》の威能《ちから》(これを目的《めあて》としてかゝる法《のり》は立てられき)の跡をこの中に見る 一〇六―一〇八
わがいふ秩序の中に自然はすべて傾けども、その分《ぶん》異《こと》なりて、己が源にいと近きあり然らざるあり 一〇九―一一一
是故にみな己が受けたる本能に導かれつゝ、存在の大海《お
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