己を量る無窮の善を受入れんには器《うつは》あまりに小さき事もまたこれによりて明らかならむ 四九―五一
是故に、萬物の中に滿つる聖意《みこゝろ》の光のたゞ一線《ひとすぢ》ならざるをえざる我等の視力は 五二―五四
その性《さが》として、己が源を己に見ゆるものよりも遙かかなたに認めざるほど強きにいたらじ 五五―五七
かゝれば汝等の世の享くる視力が無窮の正義に入りゆく状《さま》は、目の海におけるごとし 五八―六〇
目は汀《みぎは》より底を見れども沖にてはこれを見じ、されどかしこに底なきにあらず、深きが爲に隱るゝのみ 六一―六三
曇《くもり》しらぬ蒼空《あをぞら》より來るものゝ外光なし、否《いな》闇あり、即ち肉の陰またはその毒なり 六四―六六
生くる正義を汝に匿《かく》しこれについてかくしげく汝に問を發《おこ》さしめたる隱所《かくれどころ》は、今よく汝の前に開かる 六七―六九
汝|曰《いひ》けらく、人インドの岸に生れ(かしこにはクリストの事を説く者なく、讀む者も書く者もなし) 七〇―七二
人間の理性の導くかぎり、その思ふ所|爲《な》すところみな善く言行《ことばおこなひ》に罪なけれど 七三―七五

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