そのいと強き光に己をかくすごとく 一三三―一三五
かの聖なる姿は、まさる悦びのため己が光の中にかくれ、さてかく全く籠《こも》りつゝ、我に答へき 一三六―一三八
次の曲《カント》の歌ふごとく 一三九―一四一
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第六曲
コスタンティーンが鷲をして天の運行に逆《さから》はしめし(ラヴィーナを娶《めと》れる昔人《むかしのひと》に附きてこの鷲そのかみこれに順《したが》へり)時より以來《このかた》 一―三
二百年餘の間、神の鳥はエウローパの際涯《はて》、そがさきに出でし山々に近き處にとゞまり 四―六
かしこにてその聖なる翼の陰に世を治めつゝ、手より手に移り、さてかく變りてわが手に達せり 七―九
我は皇帝《チェーザレ》なりき、我はジュスティニアーノなり、今わが感ずる第一の愛の聖旨《みむね》によりてわれ律法《おきて》の中より過剩《あまれるもの》と無益物《えきなきもの》とを除きたり 一〇―一二
未だこの業《わざ》に當らざりしさき、われはクリストにたゞ一の性《さが》あるを信じ、かつかゝる信仰をもて足《た》れりとなしき 一三―一五
されど至高の牧者なるアガピート尊者、その言葉をもて我を正しき信仰に導けり 一六―一八
我は彼を信じたり、しかして今我彼の信ずる所をあきらかに見ることあたかも汝が一切の矛盾《むじゅん》の眞なり僞やなるを見るごとし 一九―二一
われ寺院と歩みを合せて進むに及び、神はその恩惠《めぐみ》により我を勵ましてこの貴き業《わざ》を爲さしむるをよしとし、我は全く身をこれに捧げ 二二―二四
武器をばわがベリサルに委ねたりしに、天の右手《めで》彼に結ばりて、わが休むべき休徴《しるし》となりき 二五―二七
さて我既に第一の問に答へ終りぬ、されどこの答の性《さが》に強《し》ひられ、なほ他の事を加ふ 二八―三〇
こは汝をしていかに深き理《ことわり》によりてかのいと聖なる旗に、これを我有《わがもの》となす者も將《はた》これに敵《はむか》ふ者も、ともに逆《さから》ふやを見しめん爲なり 三一―三三
パルランテがこれに王國を與へんとて死にし時を始めとし、見よいかなる徳のこれをあがむべき物とせしやを 三四―三六
汝知る、この物三百年餘の間アルバにとゞまり、その終り即ち三人《みたり》の三人とさらにこれがため戰ふ時に及べることを 三七―三九
また知る、この物サビーニの女達の禍ひよりルクレーチアの憂ひに至るまで七王の代に附近《あたり》の多くの民に勝ちていかなる業《わざ》をなしゝやを 四〇―四二
知る、この物秀でしローマ人等の手にありてブレンノ、ピルロ、その他の君主等及び共和の國々と戰ひ、いかなる業《わざ》をなしゝやを 四三―四五
(是等の戰ひにトルクァート、己が蓬髮《おどろのかみ》に因《ちな》みて名を呼ばれたるクインツィオ、及びデーチとファービとはわが悦びて甚《いた》く尊《たふと》む譽《ほまれ》を得たり) 四六―四八
アンニバーレに從ひて、ポーよ汝の源なるアルペの岩々を越えしアラビア人《びと》等の誇りをくじけるもこの物なりき 四九―五一
この物の下《もと》に、シピオネとポムペオとは年若うして凱旋したり、また汝の郷土に臨《のぞ》みて聳《そび》ゆる山にはこの物|酷《つら》しと見えたりき 五二―五四
後、天が全世界を己の如く晴和《のどか》ならしめんと思ひし時に近き頃、ローマの意に從ひて、チェーザレこれを取りたりき 五五―五七
ヴァーロよりレーノに亘りてこの物の爲しゝことをばイサーラもエーラもセンナも見、ローダノを滿たすすべての溪《たに》もまた見たり 五八―六〇
ラヴェンナを出でゝルビコンを越えし後このものゝ爲しゝ事はいとはやければ、詞《ことば》も筆も伴《ともな》ふ能《あた》はじ 六一―六三
士卒を轉《めぐ》らしてスパーニアに向ひ、後ドゥラッツオにむかひ、またファルサーリアを撃《う》ちて熱きニーロにも痛みを覺えしむるにいたれり 六四―六六
そが出立ちし處なるアンタンドロとシモエンタ、またかのエットレの休《やすら》ふところを再び見、後、身を震《ふる》はして禍ひをトロメオに與へ 六七―六九
そこよりイウバの許《もと》に閃《ひらめ》き下り、後、汝等の西に轉《めぐ》りてかしこにポムペオの角《らつぱ》を聞けり 七〇―七二
次の旗手と共にこの物の爲しゝことをば、ブルートとカッシオ地獄に證《あかし》す、このものまたモーデナとペルージヤとを憂へしめたり 七三―七五
うれはしきクレオパトラは今もこの物の爲に泣く、彼はその前より逃げつゝ、蛇によりて俄《にはか》なる慘《むご》き死を遂《と》げき 七六―七八
かの旗手とともにこの物遠く紅の海邊《うみべ》に進み、彼とともに世界をば、イアーノの神殿《みや》の鎖《とざ》さるゝほどいと安泰《やすらか》ならしめき 七九―八一
され
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