れし説に從ひヤコブ書を聖ヨハネの兄弟なるヤコブの書《ふみ》と思へるなり
三一―三三
【響き渡らす】ダンテと語りて
【己をいとよく】その神人の兩性を最もよく三人に顯はし給ひし
ヤイロの女の蘇生(マルコ、五・二二以下等)、キリストの變容(マタイ、一七・一以下等)、ゲッセマネの園の祈祷(マタイ、二六・三六以下等)の時主と共にありし者はたゞペテロ、ヤコブ、ヨハネの三人のみなりき、ダンテはかゝる場合に主がかれらを教理の三徳即ち信仰(ペテロ)と望み(ヤコブ)と愛(ヨハネ)との象徴たらしめ給へりとの神學説に從へるなり
三四―三六
ヤコブの詞
【人の世界より】人間界より天上に登り來る者の諸官能はわれらの光に慣るゝによりて前よりも強く全きにいたる(熟す)がゆゑに後よくこれに堪ふるを得。
三七―三九
【山】ペテロとヤコブ。即ちさきにその強き光をもてダンテの目を垂れしめし者。山[#「山」に白丸傍点]はその位の高きを表はす
四〇―四二
神はその恩寵により、汝の生きながら登り來りて諸※[#二の字点、1−2−22]の聖徒達と御座近き天堂にて會ふことを許し給ひ
四三―四五
【正しき愛】神を愛するの愛。神に近づくをうるの望みこの愛を促すなり
四六―四八
【汝の心に咲くや】汝いかばかりの望みを心にいだくや
四九―五一
【我より先に】ベアトリーチェ、ダンテに代りて第二問に答ふ、ダンテ自ら己が望みのすぐれて大いなるをいはんは適はしき事ならざればなり
五二―五四
【日輪】凡ての聖徒を照らし給ふ神
【戰鬪に參る寺院】Chiesa militante(戰鬪の寺院)、地上の信徒。天上の聖徒をChiesa trion−fante(凱旋の寺院)といふに對す
五五―五七
是故に彼はその未だ死なざるさきに、人の世より天に來ることを許さる
【エジプト】昔ヘブライ人がエジプトに奴隷たりし事あるに因みて人の世をエジプトといへり(淨、二・四六―八註參照)
【イエルサレムメ】天堂。活神《いくるかみ》の都なる天のイエルサレム(ヘブル、一二・二二)
五八―六〇
【知らんとてならず】神によりて既に知ればなり(天、一七・一〇―一二參照)
【傳へ】世に
六七―六九
第一問の答
【望みとは】ダンテはこゝにペトロス・ロムバルドゥスの教法集(天、一〇・一〇六―八註參照)第三卷に見ゆる望みの定義を譯出せり
【先立つ功徳】人の善まづよく神恩と合する
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