、むしろ誤りて開くとも誤りて閉《と》ぢおく勿れといへり。 一二七―一二九
かくて聖なる門の扉を押していひけるは。いざ入るべし、されど汝等わが誡めを聞け、すべて後方《うしろ》を見る者は外《そと》に歸らむ。 一三〇―一三二
聖なる門の鳴《なり》よき強き金屬《かね》の肘金《ひぢがね》、肘壺《ひぢつぼ》の中にまはれるときにくらぶれば 一三三―一三五
かの良きメテルロを奪はれし時のタルペーアも(この後これがために瘠す)その叫喚《わめ》きあらがへることなほこれに若かざりしなるべし 一三六―一三八
我は最初《はじめ》の響きに心をとめてかなたにむかひ、うるはしき調《しらべ》にまじれる聲のうちにテー・デウム・ラウダームスを聞くとおぼえぬ 一三九―一四一
わが耳にきこゆるものは、あたかも人々立ちて樂《がく》の器《うつは》にあはせてうたひその詞きこゆることあり 一四二―一四四
きこえざることある時の響きに似たりき 一四五―一四七
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第十曲
我等門の閾の内に入りし後(魂の惡き愛|歪《ゆが》める道を直《なほ》く見えしむるためこの門開かるゝこと稀なり) 一―三
我は響きをききてその再び閉さ
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