二の字点、1−2−22]目を擧ぐれども益なかりき 八二―八四
彼曰ふ。汝等何を欲するや、その處にてこれをいへ、導者いづこにかある、漫りに登り來りて自ら禍ひを招く勿れ。 八五―八七
わが師彼に答へて曰ふ。此等の事に精《くは》しき天の淑女今我等に告げて、かしこにゆけそこに門ありといへるなり。 八八―九〇
門守《かどもり》ねんごろに答へていふ。願はくは彼|幸《さいはひ》の中に汝等の歩みを導かんことを、さらば汝等我等の段《きだ》まで進み來れ。 九一―九三
我等かなたにすゝみて第一の段《きだ》のもとにいたれり、こは白き大理石にていと清くつややかなれば、わが姿そのまゝこれに映《うつ》りてみえき 九四―九六
第二の段は色ペルソより濃き、粗《あら》き燒石にて縱にも横にも罅裂《ひゞ》ありき 九七―九九
上にありて堅き第三の段は斑岩《はんがん》とみえ、脈より迸る血汐のごとく赤く煌《きらめ》けり 一〇〇―一〇二
神の使者《つかひ》兩足《もろあし》をこの上に載せ、金剛石とみゆる閾のうへに坐しゐたり 一〇三―一〇五
この三の段をわが導者は我を拉《ひ》きてよろこびて登らしめ、汝うやうやしく彼に※[#「戸の旧字/炯
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