り、我はその歩履《あゆみ》に從へり 五八―六〇
彼汝をこゝに置きたり、その美しき目はまづ我にかの開きたる入口を示せり、しかして後彼も睡りもともに去りにき。 六一―六三
眞《まこと》あらはるゝに及び、疑ひ解けて心やすんじ、恐れを慰めに變ふる人のごとく 六四―六六
我は變りぬ、わが思ひわづらふことなきをみしとき、導者岩に沿ひて登り、我もつづいて高處《たかみ》にむかへり 六七―六九
讀者よ、汝よくわが詩材のいかに高くなれるやを知る、されば我さらに多くの技《わざ》をもてこれを支へ固むるともあやしむなかれ 七〇―七二
我等近づき、一の場所にいたれるとき、さきにわが目に壁を分つ罅《われめ》に似たる一の隙《ひま》ありとみえしところに 七三―七五
我は一の門と門にいたらんためその下に設けし色異なれる三の段《きだ》と未だ物言はざりしひとりの門守《かどもり》を見たり 七六―七八
またわが目いよ/\かなたを望むをうるに從ひ、我は彼が最高き段《きだ》の上に坐せるをみたり、されどその顏をばわれみるに堪へざりき 七九―八一
彼手に一の白刃《しらは》を持てり、この物光を映《うつ》してつよく我等の方に輝き、我屡※[#
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