《お》してかれ斯くいへり 八二―八四
わが飽かざる目は天にのみ、あたかも軸いとちかき輪のごとく星のめぐりのいとおそき處にのみ行けり 八五―八七
わが導者。子よ何をか仰ぎながむるや。我彼に。かの三の燈火《ともしび》なり、南極これが爲にこと/″\く燃ゆ。 八八―九〇
彼我に。今朝《けさ》汝が見たる四のあざやかなる星かなたに沈み、此等は彼等のありし處に上《のぼ》れるなり。 九一―九三
彼語りゐたるとき、ソルデルロ彼をひきよせ、我等の敵を見よといひて指ざしてかなたをみせしむ 九四―九六
かの小さき溪の圍《かこひ》なきところに一の蛇ゐたり、こは昔エーヴァに苦《にが》き食物《くひもの》を與へしものとおそらくは相似たりしなるべし 九七―九九
身を滑《なめらか》ならしむる獸のごとくしば/\頭を背にめぐらして舐《ねぶ》りつゝ草と花とを分けてかの禍ひの紐《ひも》は來《き》ぬ 一〇〇―一〇二
天の鷹の飛立ちしさまは我見ざればいひがたし、されど我は彼も此も倶に飛びゐたるをさだかに見たり 一〇三―
縁の翼|空《そら》を裂く響きをききて蛇逃げさりぬ、また天使等は同じ早さに舞ひ上《のぼ》りつゝその定まれる處に歸れり
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