三
その一《ひとり》はヴィルジリオに向へり、また一《ひとり》は彼處《かしこ》に坐せる者にむかひ、起きよクルラード、來りて神の惠深き聖旨《みむね》より出し事を見よと叫び 六四―六六
後我にむかひ。渉《わた》るべき處なきまで己が最初《はじめ》の故由《ゆゑよし》を祕《ひ》めたまふものに汝の負ふ稀有《けう》の感謝を指して請ふ 六七―六九
汝|大海《おほうみ》のかなたに歸らば、わがジョヴァンナに告げて、罪なき者の祈り聽かるゝところにわがために聲をあげしめよ 七〇―七二
おもふに彼の母はその白き首※[#「巾+白」、第4水準2−8−83]《かしらぎぬ》を變へしよりこのかた(あはれ再びこれを望まざるをえず)また我を愛せざるなり 七三―七五
人この例《ためし》をみてげにたやすくさとるをえむ、女の愛なるものは見ること觸るゝことによりて屡※[#二の字点、1−2−22]燃やされずば幾何《いくばく》も保つ能はざるを 七六―七八
ミラーノ人《びと》を戰ひの場《には》にみちびく蝮蛇《まむし》も、ガルルーラの鷄のごとくはかの女の墓を飾らじ。 七九―八一
ほどよく心の中に燃ゆる正《たゞ》しき熱《あつ》き思ひの印を姿に捺
前へ
次へ
全396ページ中46ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
ダンテ アリギエリ の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング