請ふ我等を導き、汝の我等に喜びてとゞまるをうべしといへる處にいたれ。 六一―六三
我等少しくかしこを離れしとき、我は山の窪みてあたかも世の大溪《おほたに》の窪むに似たるところを見たり 六四―六六
かの魂曰ふ。かなたに山腹のみづから懷《ふところ》をつくるところあり、我等かしこにゆきて新たなる日を待たむ 六七―六九
忽ち嶮《けは》しく忽ち坦《たひらか》なる一條の曲路我等を導いてかの坎《あな》の邊《ほとり》、縁《ふち》半《なかば》より多く失せし處にいたらしむ 七〇―七二
金、純銀、朱、白鉛、光りてあざやかなるインドの木、碎けし眞際《まぎは》の新しき縁の珠も 七三―七五
各※[#二の字点、1−2−22]その色を比ぶれば、かの懷の草と花とに及ばざることなほ小の大に及ばざるごとくなるべし 七六―七八
自然はかしこをいろどれるのみならず、また千の良《よ》き薫《かをり》をもて一の奇しきわけ難き香《にほひ》を作れり 七九―八一
我見しにこゝには溪のため外部《そと》よりみえざりし多くの魂サルウェ・レーギーナを歌ひつゝ縁草《あをくさ》の上また花の上に坐しゐたり 八二―八四
我等をともなへるマントヴァ人《びと
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