くいたるをえせしめよ。 三七―三九
答へて曰ふ。我等は定まれる一の場所におかるゝにあらず、上《のぼ》るも※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]《めぐ》るも我これを許さる、われ導者となりて汝と倶に 四〇―
わが行くをうる處までゆくべし、されど見よ日は既に傾きぬ、夜登る能はざれば、我等うるはしき旅宿《やどり》を求めむ ―四五
右の方《かた》なる離れし處に魂の群《むれ》あり、汝|肯《うけが》はば我は汝を彼等の許に導かむ、汝彼等を知るを喜びとせざることあらじ。 四六―四八
答へて曰ふ。いかにしてこの事ありや、夜登らんとおもふ者は他《ほか》の者にさまたげらるゝかさらずば力及ばざるため自ら登る能はざるか。 四九―五一
善きソルデルロ指にて地を擦《す》りていふ。見よ、この線《すぢ》をだに日入りて後は汝越えがたし 五二―五四
されど登《のぼり》の障礙《しやうげ》となるもの夜の闇のほかにはあらず、この闇|能力《ちから》を奪ひて意志をさまたぐ 五五―五七
天涯晝をとぢこむる間は、汝げに闇とともにこゝをくだりまたは迷ひつゝ山の腰をめぐるをうるのみ。 五八―六〇
この時わが主驚くがごとくいひけるは。さらば
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